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お願いミュラー先生~「スピたん」挫折日記

タイトルからして、情けなさ大爆発です。

前回の日記からも、不安さがにじみ出ていた「スピたん」ですが、予感は見事に的中。いや、言っておくが、ゲーム自体がだめぽな訳じゃないよ。SFCやPC-9801を連想させるグラフィックもこの際、目を瞑ろう。ま、なんというか、良い点も多いけど、悪い点も目立つ、というゲームだったなぁ。という評価なのよね。

「スピたん」はカテゴリには、キャラゲーである。「永遠のアセリア」では”サブスピリット”、”雑魚スピリット”と呼ばれていた彼女らにフォーカスを絞ってヒロインとして抜擢し、一本のゲームとして世に出すという企画は、別に悪いこっちゃない。最低条件として、キャラクターが魅力的で(当然、ゲームでも人気が有って)キャラが立っていなくてはならない、というものがあるが、それは軽くクリアーできていると思う。
特に、ゲーム発売前まで続いた月一掲載のウェブラジオ番組「ガロ・リキュア放送局」も、キャラクタ立てに一役買っていた。10名も居るスピリットのうち、メインヒロイン的扱いはやはり、ラジオに登場した面々であり、彼女らの漫才トークも、キャラへの造詣を深める要因となっている。
ファンであればあるほど、動向は注目するわけでな。
(ゲーム本編でラジオ番組ネタ~無断で売ってしまった自動洗濯機の後日談~とかもさりげなく盛り込まれており、中々面白かった。)

キャラクタ同士の会話は、ファン以外の方が見たら冗長以外の何者でもないが、ファン・フィルターを通していたためか、それが当たり前のように面白かった。冒険先での会話がメインであるが、その中にも、何気ない日常的な風景がいっぱい盛り込んであって、どこかほのぼのとしている。もっと、キャラクタたちの会話が続けばいいな・・・と思うようになる頃には、シナリオがシリアス展開してしまっており、あぁ~あ、と思うこともしばしば。べジータ様こと光陰のような格好いい男キャラも含め、キャラクターへの感情移入が高まっているときに、「おあづけ」喰らったような気分である。

シリアス展開に比例するかのように、ゲームの難易度までもが高くなっていくのであった。

で、ダメダメ部分が、S.RPG部分。全部が・・・じゃなくて、部分的にだよ。アイディアとして面白いし、いくらでも化ける可能性も見出せる。でも、良い点があっても、特定の「部分」というのがやばいと、RPGというジャンルはとにかくやばいんだ。苦行と化す、とは、このことだ。「心地良い苦行」と、「苦行以外の何者ではない苦行」の違いは、たぶん分かってもらえると思う・・・。「ウィザードリィ」や「ザナドゥ」のとてつもない数の戦闘の連続を、苦行というかな。言わないと思う。

詳しく指摘すると、シンボル・エンカウントで発生するタクティカルバトル部分。移動先を指定→補助スキルを指定→通常スキルを最大10コマ分敵味方入り混じって予約→スキルの発動(入力の一番最後から、最初へという、逆転方式)戦闘としては、面白いかどうかは別として、一戦闘に掛かる時間は長い。
そりゃそうだ。考えながら味方5人のコマンドを決める、という作業だけで、どれだけの時間が掛かると思う。大量のコマンドからの選択に、おつむも悩みまくり。
そんなわけで、一戦闘だけならば、それほど問題なく済ませることが出来るが、問題点は、戦闘が大量に用意されているということだ。一マップで、何十回と戦わなくてはならないのだ。さすがに、面倒ではなかろうか。そんなわけで、戦闘の密度は高いものの、もうすこし入力数・戦闘に掛かる時間を何とかできなかったものだろうか。という点が、苦行というものである。

とっても時間が掛かる戦闘の連続に嫌気が差し、「極楽モード」~発動するコマンド「お願いミュラー先生」を押してしまった俺。これは、ゲーム修正ファイルを入れると追加されるもので、なんと、戦闘そのものがスキップでき、敵を倒したことになるという前代未聞のコマンド。ラスボスも倒せます。
これには正直、おいおい、戦闘主体のS.RPGにとって、敗北宣言じゃねえか・・・!と思ったものです。が、お誘いに勝てなかった。

へたれの俺は、「お願いミュラー先生」を連発。100回、200回・・・。何回しただろうか。ゲームの中に、それだけの数の戦闘が用意してあったと思うと、ゾっとする。
気がつけば、一周目をクリアーしていた。果たしてこれがクリアーといえるかは疑問。これもゲームの遊び方の一つ、と目を瞑る。プロ・アクション・リプレイ系のディスクが、どこのショップにも売ってあって、そこそこ売れている事実から、戦闘らくらくモードやレベルマックス化などが、遊び方の一つとして定着しているのは間違いない。

一週間後、日本ファルコムの「英雄伝説 空の軌跡SC」が発売されるが、このゲームも、シンボル・エンカウントのタクティカル・バトル系の戦闘を有している。もし、こういう戦闘スキップモードが「空の軌跡SC」に搭載されていたとしても、たぶん、よほどの事が無い限り、スキップONにはしないと思う。一戦闘の時間が短いし、密度もそれほど無いからね。
ゲーム好き度で言えば「空の軌跡」よりも「永遠のアセリア」や「スピたん」のほうが圧倒的に好きだけど、RPGメーカーとしてのファルコムは、キャリアとノウハウが違いすぎるからなぁ。

RPGに必要なゲームハウス側のノウハウって、素晴らしいグラフィックでも、ムービーでも、凝ったシステムでも、やりこみ要素でもなくって、ゲーム進行を妨げる要素(障害として立ち塞がる難易度ではなく)~無駄から生まれるストレスをいかに排除し、ユーザーにゲーム世界への快適な没頭(ダイブ)を手伝わせてくれるか?・・・~という点ではないだろうか。

スピたんをプレイしていて思ったのであった。
by adol2004 | 2006-03-05 01:39 | 18禁ゲーム


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